コンタクトレンズの可能性

物の形を認識する能力(視力)は当然高ければ高い方が良いです。 しかし、見て感じて行動するという「視覚行動システム」から視力を見直してみると、それは数多くある要素の中のほんの一部分にすぎなくなり、視力の悪い人が「よい眼」になったり、視力のよい人が「悪い眼」になることも起こってきます。
近視のメガネをつくりに来られるほとんどの人が、「私はものすごく眼が悪くて、視力は0.1です。ド近眼です」といったふうに、自分より視力の悪い人はいないように言います。 表情からは今回はどれくらい進んでいるのだろう、どこまで近視が進行するのだろうという不安な気持ちが見て取れます。
また、裸眼視力を知りたがる方も多く、以前の視力より下がっていると暗い表情になります。 逆に一段階でも高い視力表が読めると、一気に明るい顔になります。
以前0.1だったのが0.2の指標を判別できた、それだけで気分が明るくなるようです。 こんなことを言うとがっかりする人もいると思いますが、実のところ0.2が0.3になったとしても大した意味はありません。
眼を細めることや、涙の潤いの具合で、2〜3段階は簡単に変わります。 この程度の変化では、生活の中でものを見る効率が、さほど上がるわけではありません。
0.1前後の差で一喜一憂されている方には、「裸眼視力を尋ねられたら、0.2とか0.3とか、適当に言っておけばいいですよ」とおすすめします。 それは、視力のこだわりから抜け出すためのアドバイスです。
「見る」という全体をとらえるには、視力表の数字から解放されることが、視点を変える第一歩です。 「できる眼」を手に入れるとはいえ私も、この仕事についた最初のうちは、はっきり見えるよい視力を出す検査を重視していました。
そのうち、眼球だけをどんなに検査しても、解決できないものがあることに気がつき、「実践で使える眼」を提供したいという思いに変わっていきました。 「実践で使える眼」とは、具体的にいえば、仕事ができる眼、勉強がはかどる眼、病気や事故を招かない眼、見えないものを感知する眼などのことです。 「できる眼」といってもよいでしょう。
しかし現代はIT社会です。 ちまたには眼に訴える情報が溢れ、多くの人が毎日のようにパソコンなどを長時間使用することが避けられないライフサイクルをおくっています。
よって、これから先、眼にとっての環境はいっそう厳しいものになっていくことが予想されます。

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